理由もなく、予定もなく、ただ歩く。そういう時間は、俺を色々なことに気付かせる。例えばこのところ、随分あくせくと暮らしていた気がする。とても忙しかったのだ。それが良い悪いというのではないけれど、いったんそう思うと、俄然ゆったりと過ごしてみたくなってきた。今しばらくは難しいかもしれないが、一段落ついたらきっと何もかもをうっちゃって、うつらうつらと生きてやりたい。春になったら本を読もう。夏になったら街へ出よう。ただ歩く。ただ生きる。夢を見る。宙に浮く。そういう期間が、人生のどこかにあっていい。