若年貴族

生涯の意味が迷走し、一日の価値が暴落し、相対的に休日の濃度が低下したので、無為な時間を多く取っても気にならなくなった。時間を気にしないのであれば自転車が盗られようとも実害がない。
そう、自転車を盗られた。いや自転車の方があまりに甲斐性の無い持ち主を見限ったとも考えられる。この場合、盗られたというよりは無くなったというべきかもしれない。盗難の現場を目撃したわけでもないのだ。
そういうことなので、散歩がてら徒歩でいくつかの用事を済ます。開き直りさえしてしまえば良い身分である。