遊歩道にて

特に何もすることはなかったので近所の遊歩道へ出た。より正確を期すと、すべきことは多々あったが何もしたくなかったので遊歩道へ逃避した。休日の我が家には俺の居場所など無い。
その遊歩道には、俺が生まれるずっと前から、巨大な桜の木がぽつんと植わっている。そして誰の計らいか、正午から昼下がりにかけて桜が影を作る位置には古びたベンチが横たわっている。普段は散歩中の老体やら学校帰りの小学生やらに占拠されがちな空間だが、不穏な曇り空が広がっていたからかもしれない、幸運にも席を確保できた。
葉桜がざあざあ鳴くのを聞きながら携帯機の電源を入れる。そういえば子どもの頃から外でやるゲームが好きだった。単三電池をじゃらじゃら持って近くの公園へ出掛けたものである。木漏れ日とそよ風、休日の広場、そんな状況に酔っていたのかもしれない。空っぽのポケットに時の流れを感じます。
ソラトロボ』は噂に違わぬ出来映え。全体として『風のクロノア』に近い感じか。ミニゲームの充実具合もすばらしいし、なによりキャラクターが良い。ボクっ娘ヒロインのみならず、モブから悪役に至るまで魅力に溢れているのはフィクションならではだ。
日記なのでオチとかは無い。