引きこもりすらカーテンを開ける。朝日の眩しさに絶望する。

なにもしてないのに部屋が散らかっていく。物が勝手に増えたり床を埋め尽くしたりするとは考えにくいので、とすれば、何か外的な力が働いてるのだろうか。或いは俺の部屋は実は物理法則に反した歪な空間なのかも知れない。通りで時間が経つのが早いわけだ。

あまねく書物の天敵、黴の季節がやってくる。「樽一杯のワインに一滴の汚水」ではないが、たとえ点のように小さな黴であろうと生えてしまえばその本は欠落したも同然であり、言い様のない敗北感を所有者にもたらすこと必至。菌類と人類は常日頃から終わりのない攻防を繰り広げているが、特にこれからの時期は黴の攻勢が一層激しさを増していく。願わくは幸せな結末を。まずは十分な換気を。