二十/空洞には無為が詰まっている

今日の出費
食費
白いダース 一〇五円
お〜い、お茶 まろやか 一四七円
雑費

藤原 祐『煉獄姫』 六二〇円
犬村 小六『とある飛空士への恋歌』 六二〇円
本田 誠『空色パンデミック
合計 二一〇一円
生来の浪費家であるらしい。倹約を倹約をと強く思えば思うほど、財布の紐を緩めがちになる。明らかに身分不相応な消費生活。明日は金銭を一切持たず外出してやろうか。
なぜ今さら、といった書が並ぶ。別にこれらの本も読みたくて買ったのではないのだ、白状すれば。すべて買いたくて買ったのである。タイトル買いであった。
思うに、タイトル買いや表紙買いを軽率に敢行する人間に──あまつさえそれを高らかに、さも名誉ある傷のように触れて回るものどもに信用を置くのは危険である。散財癖はもちろんのこと、虚言癖、そこまでいかなくとも妄想癖や誇張癖、さらには何らかの依存性を抱えている恐れがある。学浅く、案外と物を知らないのは書物を買って眺めるだけで満足してしまうため。すぐ自虐的になるのは他にやり方を知らないから。視野が狭く反対意見に相対すると即座に潰しにかかる器量のせせこましさは余裕の無さの表れ。かと思えば第三者の意見や評論には甚だ弱くて、ある意味では大胆なくらい意思薄弱である。極めつけには根拠も論理も通っていない空洞な理屈をさも得意げに披露するのだから、堪ったものではない。さて、なんの話だったろう。
ところで俺は藤原祐と水鏡希人が被って仕方がない。上の『煉獄姫』に関しても、「『君のための物語』の奴が今度は姫モノを書いた」と思い込んでついに購入を決心したのであった。家に帰って巻末の著書リストを眺めて、ようやく間違いに気付くが時すでに遅し。ともあれ名高いレジンキャストミルクは未読であり、考えてみればこれが初藤原となる。良い機会かもしれない。そういえば二〇〇八春の新人って、いまなにしてるんだろう。
空色パンデミック』はどうやら散々話題になっていたようで、『恋歌』ともどもタイミングを完全に逸した購入である感否めない。粗筋見た限りではブギーポップに近い……というか表紙がブギーポップを模してデザインされたのは確定的に明らか。そこそこの期待を胸に読み進めたい。
しかしこの刊行間隔の短さはなんということだろう。まだ始まって一年そこらだろうに、もう四巻? 五巻? B.A.D.もそうだが、あまり無理をさせるなとファミ通に釘を刺したくなるほどのペースだ。映像化作品ならこれくらいが必要最低限、みたいになってみたまえ。それこそ生き急ぎというものではないか。