十四/すずめのす

今日の出費
食費
ジャガビー うすしお味 一三五円
フリスク ベリーミント 一九四円
グリコ 粒々イチゴポッキー 一五〇円
雑費 履歴書 一二六円
合計 六〇五円
イチゴポッキーが一五〇円なのはギャグなのだろうかたまたまなのだろうかすごく気になる。

今日は電車を利用する機会があったのだが、久しぶりに訪れた駅入口の隅っこに一枚の新聞紙が敷いてあった。風で飛んだりしないよう、ご丁寧にガムテープでぴったりと貼り付けられてまでいる。何かと思ってよく観察してみれば、新聞紙の直上に雀かなにかが巣を作っていたのであった。なるほど糞対策か。巣の中からはぴよぴよと忙しない鳴き声が聴こえてきて、少なくとも二羽やそこらの所帯ではなさそうだ。小鳥が、育っておいる。鳥について常識すらも持ち合わせてない俺はそれが時期外れなのか例年通りなのかどうかも判断及ばないが、あるいは噂に高い「飛行訓練」の真っ最中なのかもしれなかった。
ところで床に貼り付けられた新聞紙は、まっさらな状態でそこにあった。糞のみならず、塵や埃や千鳥足になった酔っぱらいがそこを汚さないとも限らない。まさか昨日今日営巣したわけでもないだろう。にも関わらず新聞紙に破れ目ひとつないというからには、その張り替えが毎日ないし数日単位で為されていることは間違いなさそうだ。誰がいつやってるのかは知れないが、敢えて追わずに、どころか手間を掛けてまで共生の道を取るとは器の広いというか下町気質というか。
これが犬や猫だったらこうはいかない。人間は害をなさない鳥に比較的やさしい。それはたぶん、空を飛ぶからである。
鳥が空を飛ぶということは、彼らを保護するための二通りの理由になる。住む世界が違うという意味でひとつ。それから、俺たちに出来ないことが出来るという意味でもうひとつ。