喉元過ぎずて暑さ忘れる

沖縄の梅雨明けが宣言された、ということを皮切りに一記事稼ごうと思っていたのだが、すっかり忘れていた。関東の夜は窓を開け放していればまだ肌寒いくらいで、その凶暴さの片鱗すら見せてはいない。

沖縄の梅雨明けが宣言された。そういうニュースを流れ聞いたからか分からないが、実に暑い日だった。ゲーム屋への道中、むっとするような熱気に一度ならず咳き込みそうになる。その暑さといったら五月の晴れ間みたいなからりとした陽気とは完全に別物で、となれば今年も、夏は間違いなく近づいているらしい。
それでも例えば自転車を漕いでいるとき、たまに頬をなぞる風は、まだひやりと澄んだ小春のものだ。この涼風が目の染みるような熱波に変わったとき、ついに本当の夏がはじまる。いまのうちにと、長い歩道橋を、年がいもなく、自転車で転がるように走り抜けた。そして思った。サイダー、飲みたい。