蝉がどこかで一匹鳴いた。早熟なやつめ。夏の暑さとも相まって毎年毎年五月蝿いと忌み嫌われ、時には害虫扱いさえされる蝉だが、この時期の独唱ともなれば途端に春のおわりと夏のはじまりを予感させる足音へと趣を変える。八十年生きる我々からしてみれば実…
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